さなぎのなかみ

鬱々とした日々のこと。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

イースターではない、白くて丸い、あの卵

蜂飼耳『空席日誌』より。 この本は、小説とエッセイ、日記を混ぜ合わせたような文から成る一冊。その中に「特別なたまご」という一遍がある。 出先で他者から卵(生)をひとつ、プレゼントされるというお話。 他の著者のエッセイでも何度かそういう出来事を…

夢の中で入るコンビニは品物が入荷されない

気付いたら店内で何かを買おうとしている。ふらふらと、何処かへ行くついでに寄ったようだ。目的地に着くまでの腹ごしらえのつもりなのか、パンや菓子の棚の前にいる。隙間が多く、透明のプラ板が目立つ。だいたいが、食べたいものが見つからなくて、そのま…

岡崎隼人『少女は踊る暗い腹の中踊る』

この作品、メフィスト賞を受賞したものの、文庫化はされず、作者も以降作品を発表していない。陰鬱で荒々しい空気は好みなのに、嘆かわしいことに高評価を聞かない。感想やレビューを当たってみると、ほぼ決まってこのような意味のことが書かれている。「舞…

古川日出男『沈黙/アビシニアン』

覚え書き程度。自分なりの解釈。ことばによる世界。 「十五年間など、人生とはだれも呼ばない。短すぎるし、若すぎる。あるいは幼すぎるのだろう。でも、生きるのは事実むずかしかった。生き延びるのは。」(p.392) 生き延びるために、ひとりの少女(エンマ)…