さなぎのなかみ

鬱々とした日々のこと。

歌集 野口あや子『夏にふれる』

気に入ったのいくつか。

 

 

かあさんは食べさせたがるかあさんは(私に砂を)食べさせたがる

 

Re:Re:を振り切るような出会いかたピアスの数がまた増えていた

 

しゅっとでた切符のかどがよじれててわたしたちなにか間違えました?

 

青空に飛行機雲が刺さってるあれを抜いたらわたしこわれる

 

精神を残して全部あげたからわたしのことはさん付けで呼べ

 

内臓の入る太さじゃないって って うすいスカート持ち上げ笑う

 

よわいひとと規定されたあときみにしかできないのだとだむだむ言わるる

  

ほそながきものが好きなり折れやすくだれかれかまわず突き刺しやすい

 

もう黙れお前は喋んな冬空の眼のしたでわかきひとらは

 

 

 歌集 夏にふれる