さなぎのなかみ

鬱々とした日々のこと。

クリハラタカシ『冬のUFO・夏の怪獣』

総天然色漫画。四コマだったり短編だったり。ナナロク社HPでいくつかの作品が読める。

「それはホントに? ウソに?」「なーん!」など妙に味のある言い回しがクセになる。

 

たとえば歌人や詩人は日常の些細な違和を切り取るのが上手いと聞いたことがある。それに似ている。興味を持たなければ、嵐の日の水平線の形など気にしない。フダン日常を送る分には、人工衛星のエネルギー源など気にならない。そういうちょっとしたところに焦点を当てつつ、小学生の頃の傘の使い方、あーやったねそんなことも、と懐かしさと共感を惹き起こすコマもある。

 

暇なキョーコさんの人を食ったような行動。これがお話として成り立つには、打てば響くとまではいかないにしても、相応のリアクションをとれる相手がいる必要がある。もちろん作者の頭の中から生まれたものなのでそういう相手を出すのは当たり前のことなのだが、坊主頭の少年や博士くんによってキョーコさんの奇行(とまではいかないけれど)も一層味わい深いものとなっている。ニヤリ。

 

 

 冬のUFO・夏の怪獣